本イベントは、造船業界の最新技術や今後の課題及びイノベーションを共有・議論する場として、多くの方々が一堂に会しました。
こちらのページでは、イベントのハイライトやセッションの概要をご紹介いたします。
※プログラムや発表概要は、下記の詳細(イベント案内ページ)にてご覧ください。
※講演資料(配布用)は本イベント参加者のみへの配信となります。何卒、ご了承ください。
「テクノスター 造船ユーザーカンファレンス2023|デジタル時代の造船業界:CAEの力で進化する船舶設計とシミュレーション」
日 時:2023年10月20日(金) 10:00~18:00
会 場:赤坂インターシティコンファレンス 401
参加費:無料(事前登録制・非ユーザー申込可)
詳 細:イベント案内ページ
- 非常に刺激のある講演でした。
- 日本の造船業の立ち位置や将来性を客観的に分析し、将来に向けた提言があったのが素晴らしいと感じました。
- 船舶設計について、DX事例等をもっと聞きたいと感じた。
- 各社のニーズに合ったカスタマイズを行っており、カスタマイズ性の高さが印象に残りました。
開会の挨拶
株式会社テクノスター
代表取締役社長
立石 勝
開会に先立ち、株式会社テクノスター 代表取締役社長 立石より、開会のご挨拶とともに造船業界の将来展望について熱く演説しました。
【基調講演】最新データで見る日本の造船業界 ー今後の課題ー
元三菱重工、元日本造船技術センター常務理事
鷲尾 祐秀 様
日本の国際競争力を含めた最新データをひも解きながら、内外から日本の造船業界の現状を見つめ、問題点と課題について今後の活動の資料を提供すると共に、提案を含めて紹介をしていただきました。
3D CADを利用したハッチカバー自動設計システム
八潮工業株式会社
西条工場
緒方 勤 様
昨年からの取り組みとして、ハッチカバー設計の高速化と設計ミスの防止を目的に、3D-CADの自動設計の検討を開始されたことを、ご説明いただきました。今年初めにはテクノスターと船設計用3D-CAD、EVO-SHIPを選択し、設計ノウハウをシステムに組み込んだ、シングルプールタイプのハッチカバー設計システムの開発についてご紹介いただきました。年末を近海船の設計が完成する予定であり、来年には内航船と巻取りタイプのカバーの設計に着手する予定です。
関連する主なソリューション
★Jupiter ハッチカバー自動設計システム(仮称)
商船開発における吊計画フロー刷新と揚重シミュレーション技術の新規導入
住友重機械マリンエンジニアリング株式会社
製造本部 工作部 計画グループ
中垣 憲人 様
住友重機械マリンエンジニアリング様では、大型船舶の様々な建造工法の中で最も高効率とされるブロック工法を採用することで、ブロックの形状特性に合わせてアレンジされた複数の工場生産ラインで同時並行的なブロック製作を、トヨタ生産方式を適用しつつ現行実施しております。その際、工場で製作されたブロックを出棟する段階で、安全及びブロック形状精度保持のために最初の相応重量を揚重する計画が必要となります。本講演では、昨今の現場作業者減少と技能低下に対応するため、従来のベテラン玉掛け作業者の経験に依存した揚重計画から脱却したBLS運用によるシミュレーション指向型揚重計画へ移行することで、脱技能化を実現した事例についてご紹介をしていただきました。
関連する主なソリューション
★Jupiter-BLS
【ランチョンセミナー】Jupiter最新ソリューションのご紹介
株式会社テクノスター
技術本部
藤田 大輔
局部構造強度評価向けの詳細メッシュ、および疲労評価向けの極詳細メッシュを生成するファインメッシュ機能のデモをいたしました。本ソリューションは、メッシング機能の他、四角形要素によるコースメッシュへの滑らかな遷移、領域内防撓材の自動シェル化、ブラケット、開口、スロットなどのライブラリ選択による詳細構造追加と自由端の層メッシュ生成などの機能を揃えています。
また、DX化におけるモデルビューイングの一例として、アプリケーションをインストールすることなくパソコンやタブレットのウェブブラウザ上でCADモデル、メッシュモデル、CAE結果を確認できるツールを紹介しました。アカウント管理、サーバーへのデータ格納、3Dモデル表示、解析結果のポスト処理(コンター、変形、アニメーション、結果値取得など)をウェブブラウザ上で操作可能としています。
関連する主なソリューション
★Jupiter Local Fine Mesh機能
★TechnoStar Web Viewer
【ランチョンセミナー】みんなの相棒/現場の相棒ゼリーのご紹介
株式会社カイデア
代表取締役社長
開作 豪之 様
造船業界の現場作業では、熱中症対策が欠かせない問題となっています。従来の塩飴では別途水分も必要となりますが、みんなの相棒ゼリーは、ゼリー状のため水分も確保され、味も良く、コストパフォーマンスにも優れているため、他業界ではかなり好評をいただいております。特に現場の相棒ゼリーは、GABAを含んでいるため、現場のみならず設計業務など、ストレスのかかるデスクワークの部署でも非常に有効です。今回はぜひ造船所の皆様にもご検討いただきたく、サンプルをお持ち帰りいただきました。
関連する主なソリューション
★みんなの相棒ゼリー[株式会社カイデア]
★現場の相棒ゼリー[株式会社カイデア]
【ランチョンセミナー】船舶設計3次元CADシステム「EVO.SHIP」のご紹介
Evo.Software株式会社
代表取締役社長
米津 宏 様
造船用3DCADのEvo.Shipは、船殻設計から配管艤装設計まで可能な造船専用の3DCADシステムとなっています。汎用の3DCADと異なり、造船専用のため、薄板のモデルの際に裏表の認識が可能だったり、ロンジやスチフナーの端部の形状など、標準テンプレートを活用した簡単な定義が可能です。今回は、八潮工業様の自動設計システムのコアシステムとして採用され、本カンファレンスのランチョンセミナーでは、デモを実施していただきました。
関連する主なソリューション
★Evo.Ship [Evo.Software株式会社]
★TechnoStar Ship Modeler
★Jupiter
船舶CFDを新しいフェーズへ
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所
流体性能評価系 CFD研究開発グループ
小林 寛 様
CFD(Computational Fluid Dynamics)は、高信頼・高効率な船舶設計のために必要な、粘性流体流れと船体運動を包括的に扱うことができます。海技研で開発している重合格子法ベースのCFD計算手法は、複雑形状や大振幅運動にも対応し、操縦性や耐航性への応用も可能です。講演では、重合格子法を含む船舶用CFDの概要やJupiter上で重合格子の生成が可能な開発中のシステムについて、ご紹介いただきました。
関連する主なソリューション
★Ship Star Navis
船舶設計のためのCFD計算 ~CFDと水槽試験の相関~
流体テクノ株式会社
数値流体解析グループ
隅田 大貴 様
流体テクノ様では、様々なニーズに基づき多様な船を設計しています。CFD(数値流体計算)を用いて船の性能の優劣を相対評価することが可能で、CFDは船舶を評価するために非常に有用なツールです。船舶の性能は水槽試験を行うことで求められてきましたが、その代替手段としてCFDを用いておられます。今回、弊社開発ソフトウェアShip One PushのCFD部分の開発に携わっていただきました。講演ではソフトウェアの紹介とCFD計算の成り立ち、CFD結果と水槽試験結果の相関についてご紹介をしていただきました。
関連する主なソリューション
★Ship Star Navis
MIT発 最速のFEAソルバーAkselos; その理論背景および適用実例
Akselos SA.
Sales Manager, APAC
Thach Luu
船体フルモデルのFEA計算時間を数秒オーダーにさげた、Akselosソルバーの理論および適用実例をご紹介いただきました。また、AkselosではFEAを用いた構造応力の全体像をリアルタイムでモニタリングできる、唯一のソリューション適用を世界中で進めています。お客様がなぜAkselosを選ぶか、真の構造安全モニタリングシステムをどのように実現できたかをご説明していただきました。
関連する主なソリューション
★Akselos [Akselos SA.]
★受託サービス:Akselos向けモデリング
船体構造デジタルツインの実現に向けた技術開発
荷重構造一貫解析におけるコンテナ船向け荷重作成機能の開発と疲労強度評価法の検討
日本シップヤード株式会社
設計本部 基本設計部 構造グループ
河尻 義貴 様
コンテナ船を対象とした荷重構造一貫解析のために開発したコンテナ荷重、外水圧、液体タンク内圧のマッピング機能についてご説明をしていただきました。また、荷重構造一貫解析の結果と実船モニタリングデータを活用した疲労強度評価法について鉱石運搬船を対象とした検討事例を、ご紹介いただきました。
関連する主なソリューション
★NMRI-DLSA[国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所]
★Jupiter-DLSA
★Jupiter Local Fine Mesh機能
船体構造デジタルツインの実現に向けた技術開発
船体構造デジタルツイン向けWebアプリケーション開発
日本シップヤード株式会社
設計本部 基本設計部 構造グループ
吉田 智美 様
ハルモニタリングのデータ可視化やシミュレーションと組み合わせた評価のためのWebアプリケーションについてご紹介をしていただきました。また、船体構造デジタルツイン技術の一つである、ハルモニタリングデータを用いた波浪逆推定機能の開発についてもご説明をしていただきました。
関連する主なソリューション
★受託サービス:システム開発
★TechnoStar Web Viewer
CSR Hold解析のための補強検討自動化機能の開発
株式会社名村造船所
船舶海洋事業部 設計本部 基本設計部 船殻設計課
田中 孝幸 様
CSRで要求されるHold解析は全Holdを対象に3Holdモデルを用いて実施する必要があります。また、各3Holdの両端に位置するHoldの寸法は、他の3Holdモデルの中央Holdの補強寸法と整合性を取る必要があり、両端に位置するHoldに補強が反映されることは中央Holdの評価結果に影響を与えます。この様な中、解析では船級規則で定められた評価基準を満足するまで補強を繰り返し実施しなければならないため、多くの設計工数および期間を費やしています。この状況を打開すべく、テクノスターとHold解析の補強を自動で行う機能を開発した事例についてご紹介をしていただきました。
関連する主なソリューション
★Jupiter Auto Reinforce for HCSR(仮称)
★SunShine-Solver
NMRI-DLSAシステムによる強度評価及び搭載シミュレーター ~船殻設計から建造まで支援する~
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所
構造・産業システム系
村上 睦尚 様
海上技術安全研究所様にて従来から開発を進めている「全船荷重構造一貫解析・強度評価(NMRI-DLSA)システム」の基本機能、オプション機能、今後の開発についてご説明をしていただきました。また、今期より開発を開始したDLSA-Construction:DIGITAL SHIP ASSEMBLY and CONSTRUCTIONについてもご紹介をしていただきました。
関連する主なソリューション
★NMRI-DLSA[国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所]
★Jupiter-DLSA
★Jupiter 搭載シミュレーター(仮称)
閉会
株式会社テクノスター
取締役副社長
武井 文男
本ユーザー カンファレンスの閉会に際し、株式会社テクノスター取締役副社長 武井より、閉会のご挨拶をいたしました。
懇親会
来場者の皆様にお集まりいただき、参加者同士の交流や情報交換をしていただきました。